第3章 会いたい/夜久

「、今日はバイトあるの？」
「ううん、お休みだよ」
「じゃあさ、今日は一緒に課題しようよ」
「え、なにそれずるい。俺も一緒にしたい」
「黒尾くん、部活じゃん」
「くっ」

　落ち込んだ黒尾くんをどうしたらいいのかわからないままに鈴ちゃんが話を進めてしまった。

「、お弁当のおかず交換しよー。卵焼き欲しー」
「いいよー。私、ウィンナーが欲しいな」
「なぁ、2人とも俺のミートボールやるから卵焼きちょうだい」
「仕方ないなー」
「卵焼きでいいの？」

　おかず交換をすると、鈴ちゃんのたこさんウィンナーも黒尾くんのミートボールも美味しかった。

「やっぱ女の子の手作り弁当美味いねー」
「そう？　夕飯の残り物とかばっかだよ？」
「でも、卵焼きは確実に自分で作ってんだろ？」
「まあ、一応？」
「お母さんもお仕事してるから自然とね」

　そんな話をしてるうちにお弁当を食べ終えて、私は次が移動教室だからそのまま自分のクラスに戻って行った。