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猫恋

第3章 会いたい/夜久


「衛輔く…」
「あ! 夜久さーん!!」
「おー、どうしたリエーフ」

 3年に進級してから、彼氏の衛輔くんと会う機会が減ってしまった。クラスが離れたのもあるし、衛輔くんはバレー部の練習や試合で忙しそうにしていた。特にバレー部の後輩の指導もしてるからか休み時間に声をかけようとすると今みたいにタイミングを逃してしまう。

「…はぁ」
「、どうしたの?」
「鈴ちゃん、こんにちは」
「夜久くんはいいの?」
「あー…うん…」

 学食前でため息をついていたら、1年からの友達の鈴ちゃんに声をかけられた。目の先には後輩と話している衛輔くんがいる。

「、お昼まだなの?」
「うん。ノートを先生のところに持って行ってたら遅くなって」
「じゃあ、私と黒尾くんのところにおいでよ」
「え、でも、それじゃあせっかくの2人の時間が…」
「いいから、いいからっ!」

 鈴ちゃんに引っ張られて、私は5組の教室に行くことになった。

「ただいまー、黒尾くん」
「おー、おかえりー。あと束間ちゃんいらっしゃーい」
「お、お邪魔します?」
「はい、はここに座ってー」

 鈴ちゃんに連れられた席には黒尾くんがいて、机が2つくっついた状態だった。その真ん中に鈴ちゃんが椅子を置いて私を座らせた。

「はい、おつかいのお茶」
「さんきゅー」
「じゃあ、食べよー」
「あれ、2人とも今からなの?」
「おー、白木ちゃんとお茶をどっちが2人分買いに行くかじゃんけんしてたら遅くなっちまってなー」

 あ、だから鈴ちゃん学食前にいたんだ。私も飲み物ついでに学食で食べようと思って来てたわけだけど。持ってたお弁当を私も広げて3人で食べ始めた。

「そういや、ゆめちゃん」
「ん?」
「最近やっくんとはどうなの?」
「…どうって?」
「黒尾くん、これは夜久くんやばいのでは?」
「やばいな、こりゃ」

 鈴ちゃんと黒尾くんはなんだか神妙な表情でお弁当を食べながら話しているけど、本当にここ最近衛輔くんとメール以外で話すらしていないからなにかが起こるとはありえない。
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