第26章 ウィンターカップ〜桐皇VS誠凛〜前編
何処に行ったんだ…
『征十郎は背負いすぎなんだよ。周りにもっと頼れ!』
厳しくも優しい言葉を掛けてくれた彼女はいない
『征十郎、大丈夫か?』
自分が苦しくても、周りを優先する彼女の優しさにどれだけ甘えて来たのか分かった
赤司「すまない…」
泣き崩れる“俺”を“僕”は咎めなかった
“俺”も“僕”も誰もがが大事なのか、いなくなって気付いた
前にも母が亡くなった時に経験したが、それよりも酷く胸が痛む
赤司「…」
まだ何もお前に言えてない
『何泣いてんだよ?』
幻想の中の彼女は変わらずに揶揄う様に“俺”と“僕”に微笑む
違う幻想とかじゃなく…本物に会いたいんだ
『会って何がしたいんだ?』
赤司「会って…気持ちを伝えたい」
それを受け入れられなくても、受け入れられても…
ただ一言に言いたんだ。好きだって。“駒”とは思っていないって