第14章 決勝リーグ
「……お前には苦労ばかりさせてるな」
『いえ、ここまで育ててもらったご恩は必ず返します』
カコンと鹿威しの音が響く
「して」
『はい』
「いつも通り話してくれんかのう?ちと肩が凝るわい」
苦笑するじっちゃんに俺はフッと笑みを浮かべる
『あぁ、分かったよ。じっちゃん』
砕けた口調になるとじっちゃんは嬉しそうに笑う
じっちゃんのこの顔が好きだ
「義光(ヨシミツ)とは上手くやっておるか?」
その名前にピクリと俺の眉が上がる
『親父とは別居暮らしだ。じっちゃん』
「……そうじゃったな」
俺は本当の親を知らない