第3章 それぞれの
「なぁ。相原って去年の行事の写真とか持ってる?」
いつものように風磨と登校して、
教室でまったり座ってると
隣の席の男の子が話しかけてきた。
去年のならまだカメラの中に残ってるはずだ。
「持ってるよ...体育祭とかだよね?」
「そうそう!まだ先の話だけど...文化祭で飾ろうと思って」
私はカメラを机の上に出し、データを見せた。
「懐かしいー!ごめん。これ現像してもいい?」
「大丈夫だよ。てか、なんなら私が現像するし」
「マジ!?助かるわー。よろしく頼みます!!」
男の子はそのままそこかへ行ってしまった。
忘れないようにメモっとこ。
「写真...現像...」
ペンで手帳に書いていると
「咲子...ちょっと来て」
低い声が私の名を呼んだ。