第1章 金曜日
引っ付いていた美咲を引きはがすと、とろんとした目でこっちを見つめて来た。
あぁ、キスして欲しいんだね?
もう3年の付き合いだ。それぐらいすぐ分かる。
俺の心臓がきゅんと縮まったのを感じた。こちらは3年の付き合いになっても未だに初々しいらしい。
美咲もそうだったらいいな。
そんなことを思いながら唇を重ねた。
「んっ・・・。」
キスの合間に漏れる美咲の声が好きだ。
背中に回された手が俺の服をぎゅっと掴むのも好きだ。
舌を入れると小さく飛び跳ねる反応も大好きだ。
つくづく美咲は俺のツボを突いて来る。
・・・いや、美咲によって俺のツボは形成されたと言った方が正しいかな。
顔を離すと、美咲はその可愛い顔を見せる事無く俺の肩に顔を埋めてしまった。
多分きゅんきゅんしてくれたんだろう。美咲の背中から感じる鼓動は少し早かった。
「ベッド行く?」
背中をさすってやると、美咲は小さく小さく頷いた。