【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】
第6章 月島軍曹2
声を大にして言おう。すけべしたくなるのは殿方だけの特権では無い。
ろくに動けない生活で、そういう刺激を受けたら女だってムラッとくることだってある!
別に私が××なワケではない! そういうことなのだ!
……ほぼ監禁に近い生活状態な上、加害者に朝から晩まで面倒を見られ、ストックホルム症候群を引き起こしたわけでも無い……と思うんだ。
コホン。とにかく帰らなくてはいけない。
鍵を握る月島軍曹の機嫌を取るのは、やむを得ないことだ。
「灯りは消しましょうか」
ランプが消され、採光用の窓に布がかかると、私のアザが見えないくらい暗くなる。
そして改めて帯をほどき、着物をはだけられる。
月島軍曹が上着を脱ぐ音がした。
……んん。暗いと攻撃されたときの悪夢をちょっと思い出すなあ。
「大丈夫ですから……」
身体のこわばりを解そうとしてか、愛撫は緩やかだ。
暗闇の中でもアザやケガは避け、慎重に手が肌をたどる。
唇が重なり、舌が絡む音が聞こえる。まだ治りきらない、口の中の傷を舐められる。
ゆっくり進めたいようだが、雄の本能が急かしているようで、愛撫はやや性急だ。
腕に響かないよう抱きしめられる。キス。押しつけられ、擦り付けられる股間が硬い。
そして、ちょっと細くなった太腿を撫で上げられ、刺激に飢えている場所に再度指が潜り込む。
ぐちゅっと、より濡れた音が聞こえた。
「梢さん、痛くは?」
無い無い。だいじょぶ。ん……。ずっとご無沙汰だったものなあ。
ぐりゅぐりゅと中をかき回される。
無骨な指が濡れた谷間を辿る度に、しびれるような快感が背を這い上がった。
胸が反応しちゃってる。身体が熱い。ケガで腕が動かせないのがもどかしい。
気持ち、いい。
「口を開けて」
キスをされる。さっきよりも、噛みつくようなキスだ。荒い息。舌を貪られる。
月島軍曹が片手で、自分のシャツのボタンを外しているのが見える。
以前見た鍛え上げられた身体が見えた。
気を遣わなくていいから、乱暴に犯してほしい。忘れさせてほしい。
「そう、急がないで」
男性に言われると屈辱的なんだが。
でもグリッと『中』に入れた指を動かされ、身体がビクッとした。