第2章 出会い
小さい頃に流星街で捨てられ、知らない奴に連れ去られた。どこか知らない夫婦に買われ、奴隷として、ではなく、普通に育てられた。というのもその夫婦は自分達の幼い子供が、亡くなったばかりだった。アリアが自分達の子供にそっくりだっただめ裕福だった彼らは私を買った。つかの間の幸せな人生だった。あの日までは……
ヨークシン地下競売
「パパ。今日のオークション連れてきてくれてありがとう。」
「いいんだよ。アリアももう家に来て5年もたったんだ。そろそろ大人の世界を教えてもいいだろう。」
その日は生まれて初めてオークションと言うものに連れられた日だった。
「ママもこれたら良かったのに……」
「アリア。残念だな。だが病には人は勝てないよ。」
「うん。」
ママは数ヵ月前に病に倒れこの世を去った。ママの趣味は眼球を収集することだった。今回出品される緋の目は生前から欲していたコレクションのひとつ。
「ママのためにも頑張らないとね。パパ。」
「あぁ~そうだな。」
パパに頭を撫でられる。流星街では貰えない愛情を、この夫妻から一生与えられていた。
二人の会話を他所に壇上へ背の低い男性と大柄な男性が現れる。
「えぇ~。皆さん。ようこそお集まりいただきました。それでは堅苦しい挨拶は抜きにして……」
小柄な男性が挨拶を途中で終わると目を閉じスッと耳をふさいだ。
「とっととくたばりな。」
小柄な男性の後ろの大柄な男性が、話すと指が外れた。そしてマシンガンの嵐が降り注ぐ。あまりの出来事に、とっさに全身に力を入れ頭を屈めた。その上に父が覆い被さり全身に響く振動に耐えた。