第4章 秘湯
シュル…シュル…
布が擦れる音がする。
佐助(この音だけでも、かなり生殺しなのに…)
佐助だって年頃の健康男子。今すぐ振り向いて玲奈を襲いたい衝動に駆られるが必死に理性を掻き集めて振り返らないでいた。
玲奈「佐助くん、こっち向いていいよ」
くるりと後ろを振り返ると、少し火照っいて赤くなった玲奈の姿が艶かしく、佐助は必死に理性を保つ。
玲奈「佐助くん…最近私を避けてるけど、体調が優れないのかな?それとも… 私の事が嫌いになっちゃったの?」
玲奈(こんな事言ったら重い女って思われちゃうかも知れないけど、言葉が止まらないよ)
玲奈「もしも、そうだとしたら本当にごめんね、
私いつも佐助くんに支えてもらってばかりで、強くもないし、頭だっていいわけじゃないし…」
言葉は見つかるのに、息を飲んだように言葉が出ずに、黙ってしまった。
佐助「玲奈さん、俺は君のこと嫌いにだなんて一ミリも思ってないよ、むしろ感謝しなきゃいけない。」
佐助がとても穏やかな口調で、でも冷静に話す。
佐助「あと、最近のは…
玲奈さんにどう接していいか分からなくなって…
それでさっき気がついたんだ、 俺は君に恋してる」
二人の間に風が吹いて森の木の木の間に隙間ができ、まるでスポットライトのように二人を照らす。
佐助「…あの、返事はまた今度でも…」
佐助が、気恥ずかしそうに玲奈の目を逸らそうとすると。
玲奈「私も…佐助くんのことが、大好きだよ」
そう言って、玲奈は佐助に抱きついて佐助を押し倒す形になる。
玲奈「四年も私のこと探してくれて、いつも支えてくれる。
そんな佐助くんが大好き」
玲奈は佐助の胸に顔を埋ずめる。
佐助「ふふっ、ありがとう俺も玲奈さんが大好きだ…」
そう言って身体を上げ、キスを交わす。
玲奈「ふうっ、っっん はぁ はぁ 佐助くん…」
佐助「玲奈さんっっ… 本当にかわいいよ…っん」
さらに口が重なり、玲奈に体の力が入らなると
佐助「もう一回、温泉入る?次は一緒に…」
そして息を切らした二人は、一晩中汗をかいてのぼせてしまった。