第4章 秘湯
今朝から玲奈さんの機嫌がすこぶる良い。
玲奈「ふんふーん ♪」
(どうしたんだろうな…玲奈さん)
じっと玲奈見ていると、目があって少し緊張する。
(なんてリアクションすればいいのか…)
佐助が頭をフル回転させると、彼女がニコリと微笑んだ。
…ドキッ
佐助(あ…また発作が起こりそう)
最近佐助は、玲奈に見つめられると胸が鼓動が早くなることに悩んでいた。
玲奈「佐助くん、どうしたの体調悪いの?」
(まずい玲奈さんが近づいてくるとまた発作が…)
佐助「玲奈さん、今から撒菱の鍛錬に行ってくる」
玲奈「ちょっと待って佐助くん体調悪そうだよ!」
言い残して佐助が逃げるように消えた。
そして佐助はこの発作が起きた時、森の中に撒菱練習場を作って
発作が起こるとここで落ち着くまでずっと鍛錬していたのだ。
佐助「さて始めるか」
練習を終えるとて佐助は考えた。
(そもそも何故こうなるのか何回も分析してるけど分からないみたいだ…)
ぼんやりと考えてながら春日山城に戻ると、相変わらず謙信様が
「佐助!どこに行ってた?」そう言いながら斬りつけてくる。
佐助「謙信様、帰ってきた部下をいきなり斬りつけるのはやめてください」
冷静にそう言うと謙信がいきなり手を止めた。
謙信「佐助何がいつもとちがうぞ」
謙信が不思議そうに聞くが
佐助「気のせい、じゃないですかね」
信玄「佐助にも春が来たんじゃないか?」
側にいた信玄が広角をあげながらしゃべると謙信が「お前もやるか…面白い。」そう言いながら信玄に笑いながら斬りかかって行く二人の様子をぼんやりと見ながら考える。
佐助(恋か…俺は一体だれに恋してるんだろう?)
信玄「え?それは天女に決まってるだろ〜。最近お前天女に会うと様子が違うならな〜って謙信やめろ!」
信玄がやっと終わったと思ったらまた切りかかってくる謙信を相手にしながら佐助に答える。
佐助(玲奈さんに恋…どうして今まで気がつかなかったんだろう。発作の理由がやっと判明した俺は玲奈さんに恋してるんだ)
納得した佐助がくるりと後ろを向いてその場を離れる。
(なんだかとても玲奈さんに会いたくなってきた…)