第2章 あんたのことがほっとけない
最近、悩みができた。
「皆さんお茶を入れてきました!」
軍議中あの子が部屋に入ってお茶を入れてきてくれる。それが最近では当たり前になってきた。
「どうぞ、政宗!って きゃっ」
すると、政宗さんがあの子のことを引き寄せて膝の上乗せようとしている。
「玲奈〜いまから俺の膝の上に乗って軍議を聞こうぜ」
「ま、政宗のエッチ!!」
も〜、と言いながらあの子が順番なお茶を配っていって俺の所に運んで来た時。
「どうぞ、家康さん」
なんで、俺には敬語なんだろ…あと、政宗さんとの態度を比べたら俺にはちょっとよそよそしい気がする…
みんなにお茶を配り終えて、あの子は信長様の隣で軍議を聞いていた。
軍議が終わった後、あの子は自室に戻って針子のお仕事をしようとしていた。
あ、またあの子と話す機会を逃しちゃった…
俺がため息をついていると。
「家康、ため息をすると幸せが逃げるぞ」
政宗さんが声をかけてきた。
「べ、べつに俺はそんなこと…」
「あいつのことだろ」
言い当てられて、一瞬黙ってしまった。