第10章 後日談ーデート編ー前ー
二人は早速ペアネックレスを首に掛けた。
「あ!ちょっとあそこ!」
優愛に手を引っ張られ着いたのは
ゲームセンターだった。
「飛影、ゲームは…」
「やったことない」
「だよねーハハハ」
冷たい表情に苦笑いする優愛。
「でもせっかくだからやってみようよ!」
やらん。といつもの飛影なら言っただろう。
しかしデート中である優愛を前にそうは言わなかった。
「…少しだけだぞ」
シューティングゲームや太鼓ゲーム音ゲー色んなゲームをやった。
やり方が分からず戸惑ったりミスする飛影が可愛く思えた。
「これはどう?」
優愛が立っていたのはぬいぐるみが詰まったUFOキャッチャーだった。
「なんだこれは?」
「えーっとね、この大きなボタン2つでこのキャッチャー…掴むような機械を動かしてぬいぐるみを取るんだよ!」
「…」
「このキャラ人気だよね!可愛いよねー」
ぬいぐるみをガラスウィンドウ越しに眺める優愛を見て飛影は意を決してUFOキャッチャーにお金を入れた。
「飛影!無理しなくても!」
「欲しいんだろ?」
飛影は真剣な表情でボタンを押し、ぬいぐるみを狙うが失敗してしまう。
「初めは誰でもうまくできないって!」
優愛が慰めると飛影はムキになりまたお金を入れようとする。
「まだだ…」
「お金なくなっちゃうよ!そんなにすごく欲しいとは思ってないから!飛影もうやめよ?」
そう言われるがどこか不服そうだ。
これが男の意地ってやつかと優愛は少し呆れるが目に入ったものに反応した。