第7章 想起5
「飛影。」
「何だ。」
「お前、何か忘れていることがあるんじゃないか?オレにもよくわからなかったんだが、お前の意識に触れた時何か断片的に温かいものが流れてきた。何か覚えはないのか?」
「知らん」
飛影に軀は問うが興味なさげに返されるだけだった。
そんな飛影を軀は訝し気な顔で見る。
時は過ぎて雷禅の死んだという情報が魔界に流れる。
そこで幽助は魔界統一トーナメントを持ち掛けた。
ただ一人の妖怪として皆闘うこととなり
飛影と軀は対峙する。
二人はお互い心の傷を抉り合い生きる意味など問う。
最後に飛影は黒龍波を出さざる負えない状況になり軀に撃つ。
だが受け止められてしまい敗れてしまう飛影。
負けを認めた時、軀の枷に亀裂が走り外れる。
「それはお前にはもう必要ないはずだ」
ふらつきながらも軀に近付き飛影は言った。
それに対して軀は諭す様に訊く。
「飛影…お前生きる意味がないというのは…本当なのか?」
きっとあの断片的な記憶、紅い毛糸の温かい心地いいものの正体がそうなんじゃないかと思う軀。
飛影は何も言わず眠りにつく。
魔界統一トーナメントは煙鬼という妖怪が優勝し、幕を閉じる。
煙鬼は人間界に迷惑をかけないことを制定し
魔界霊界人間界の関係も良好になりつつあった。
飛影は軀の下で魔界パトロールをしている。
そんな日々の折…………