第3章 姉と私。
怖くて怖くて震えが止まらなくなる
だけど不二先輩が隣で歩いてくれてるから頑張って一歩ずつ前に出れる
「五十嵐」
大丈夫か?と言わんばかりに見てくるリョーマ君。
リョーマ君の顔を見ると震えも止まった。
桜乃には申し訳ないけどやっぱり私はリョーマ君が好き。
そう自覚した。
「紫苑なにこれ?私達を裏切るつもり?」
おねぇちゃんの怖くて低い声が聞こえる
いつもならもう1人の私が出てくるのに今日は出てこない
どこに行ったんだろ。
わたしひとりにしないで。怖い。また殴られる。
またやられる…
「なにも言えないでしょ?許してあげるから戻ってきなよ
また可愛がってあげる大事な妹だからね」
そう言ってニコニコ笑うおねぇちゃん。
痛い目に合うぐらいなら…
そう思ってまた一歩もう一歩とおねぇちゃんに近寄っていく。
「五十嵐さん!」「五十嵐!!」
みんなの声が聞こえてわたしは正気に戻る。
ダメだ。わたしは今日立ち向かう為に来たんだ。もうおねぇちゃんの良いことは聞かないし。
今日こそ言い返す
ふぅ。
深呼吸して、ビシッと気合を入れる為に自分の顔を叩いた
「おねぇちゃん私を自由にして欲しいの
私おねぇちゃんが遊ぶ為に働いてるんじゃないんだよ!?」
言い返すといつも反抗しない私をみてびっくりした顔で見てくる姉がいた。
「へぇ。全部知ってるの?
あんたの仲間達も知ってるのあんたがなにしてたか全て」
そう言って睨んでくる姉
全部?全て?借金以外の事なんて知らない。
まだ何かあるの?
そう言って私は少し黙ってしまう