第3章 姉と私。
目が覚めると不二先輩の部屋の中だった。
おかしいな…二度と私に戻らないと思ったのに…
また1人なの?寂しい嫌だ…怖い。
私は1人で震えてた。
「五十嵐さん」
ドアが開いて不二先輩が来る。
「どうしたんですか?」
震えながらも一言一言声に出す。
不二先輩は1から10まで説明してくれた。
もう一人の私がいなくなったこと。
姉が来たこと。
みんな私の味方って事…。
味方って何…?
最後はどうせ裏切るんでしょうそれなら何もイラナイのに。
「それで五十嵐さんはお姉さんにあって欲しい
嫌だろうけど…」
不二先輩の声が暗くなる。
「大丈夫です」
私はそう言って笑顔で答えた。
嘘つき。ほんとは大丈夫じゃない。
でも最後にしたい。姉とはさよならして借金もさよならだ。
もう払い終わってるなら私はイラナイ。
こうして家族にも必要とされなくなる。
けれど私にとってはきっとそれが1番心にも体にもいい事なんだと思う。
だから頷くしか無かった。
これで終わりにしたい。
私は青学で生きていく。誰にも縛られずあわよくばリョーマくんと居たい。
「クスッ。決まりだね着いてきて」
不二先輩そう言って立ち上がった。
きっとお姉ちゃんの所に連れてくんだと思う。
一人が終わってももう1人がいる。
お母さんにもお父さんにも謝って私は逃げなくてはならない。
きっと逃がしてもらえない、自由にさせてもらえないんだろうから。