第2章 合宿
フードを被って電車に乗る。
少しでも誰かに気づいて欲しくて合宿の近くの海に来た。
合宿で良かった。私服だから補導される事もないし…姉にやられたなど警察に言えば私はもっと酷い扱いされるに違いない。
だからこれだけで良かった。
殴られるのも慣れてる。よっぽど酔っ払った義父に殴られる方が痛いのはよく知ってる。
「ぁあー…また1人みんなといる時楽しかったなー……」
1人のように海に向かって呟いてたら
「独り言なんてまだまだだね」
リョーマくんの声が聞こえた。
思わず幻聴なのかな?だって合宿…部活中だしね。そう思って無視をしてた。
「無視なんて酷い」
そう言って隣にリョーマくんが座った。
「リ…リョーマくん…?」
私は思わず首を傾げてリョーマくんを見た。
「部活終わって自由時間」
疑問に思ってたの分かった見たいで先に答えてくれた。
そっかー…ホントに誰か来てくれた。
こんな所来てくれないと思ってた。そう思うと涙が出てくる。
「五十嵐はなんでフード被ってるの」
そう言ってフードを取ろうとリョーマくんの手が近寄る
バシッ
「触らないで!」
私は思わずリョーマくんの手を払い除けた。
びっくりした顔でリョーマくんは見てくる。私はしまった…って顔をしてリョーマくんを見る。