第2章 合宿
私はつい固まってしまう。
仕事前とかならもう1人の私が出てきて言い返せるけど今の私じゃ何も言い返せない。
「ねぇ?紫苑答えてよ」
そう言って近寄ってくる姉上。
「LINE…聞いてたの」
正直に話そう。
きっと連絡先教えたらありがとうって言って消える筈。
そう思ってたのに
「ホテルの中に一緒に入って?」
そう言ってふふ。って笑う姉上。
見られてる…。おねぇちゃんは確かに怖いぐらい好きな人を追うし。
そして私の事が嫌いだ。
姉妹だと思われたくないそう言ってたの思い出した。
「ごめんなさい…」
私は瞬時に謝るしかなかった。
謝る以外言葉が出てこないし思い浮かばない。
「紫苑なんて…」
「五十嵐さん遅いから心配…あれ?」
不二先輩が来てくれた。それだけで救われたと思った。
このまんま居たらきっと殴られて終わる。
そう思ってたから…
「初めましてー!紫苑の姉の由美です♡」
語尾にハートがついてるんじゃないかって思うぐらいぶりっ子な猫なで声で不二先輩に近寄る。
正直言ってキモイ。流石連れ子…。私に全然似てない寧ろ私なんてこんなこと出来ない。