第2章 合宿
「菊丸先輩…何も無いですよ」
笑顔で返す。
お願いだから私にそんなに関わらないで…。
また私が出ちゃう前にどこかに行って。
そう思ってたが
「んにゃ?五十嵐ー?」
そう言って見てくる菊丸先輩。
その時
「英二!五十嵐さんが困ってるだろ」
不二先輩が助けてくれた。
私は感謝して頭を下げた。ありがとうって意味を込めて。
それを見てクスッって笑う不二先輩。
「なんでだよぉー!不二ぃぃ!!」
そう言いながら菊丸先輩は不二先輩に連れてかれた。
これで私やっと1人だ。
ピコンってLINEが鳴る。相手は堀尾。
今日の夜よろしくだった。
面倒臭いのと気持ち悪さと交互に押し寄せてくる。
私は吐き気が思わず押し寄せてきて走ってトイレに向かった。
一通り吐くと楽になった。
大丈夫。夜にはもう1人の私が出てくる。だから相手をするのも簡単だ。
そう考えると落ち着きを取り戻した。
トイレから出るとそこに居たのは
「紫苑ー?何してるのかなぁ」
「おねぇ…ちゃん…」
殺すような目付きで見てくる姉の姿が居た。
なんで合宿に居るの?そんな事よりどうして怒ってるの…?
瞬時に震えが止まらない。
「ねぇ?なんで不二先輩と仲良くしてるの?協力してくれるんじゃなかったの?」
怖い怖い。めっちゃ怒ってる。
しかも全部もしかして見られてた?