第4章 誠凛高校バスケットボール部
ーー私立誠凛高等学校
「そこの君、可愛いねー!ラグビー興味ない!?」
「いや、日本人なら野球でしょー!」
『す、すみません。もう入る部活決めてるので…。』
春の新入生を迎える時期。
先輩達の自らの部をアピールする声が賑やかに響き渡る。
さっきから声をかけられて中々進めない。
「水泳!!チョーキモチイイよ!!」
『ご、ごめんなさい。』
あの手この手で攻めてくる勧誘を片っ端から断っていると、大柄で赤髪の青年が横切った。
『(大きいなぁ…。)』
何とか勧誘の手を潜り抜け、部活のブース案内が載っている掲示板を見る。
『バスケ部、バスケ部…、あった!』
早速バスケ部のブースへと向かう。
全中の時に見た誠凛のプレイ。
ここでバスケがしたいと思った。その思いに突き動かされ、この学校への入学を決めた。
これからあの人達と一緒にバスケができると思うと自然と胸が高鳴った。
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バスケ部のブースには女子と男子の先輩が一人ずつ座っていた。
『あの、すみません。マネージャー希望なんですけど…。』
「あー!大歓迎よ!ささっ、座って!」
『はい!』
「(すっげぇ可愛い…。)」
ショートヘアの先輩が案内してくれる。
「じゃ、早速ここに名前と学籍番号ね。」
『はい、……これでいいですか?』
「オッケー!後は出身中学と動機。そこら辺は任意だからどっちでもいーよ。」
『分かりました。』
入部届けを書いていると、前に座っていた男子の先輩がショートヘアの先輩に一枚の紙と共に声をかける。
「一枚入部届け集め忘れてるっスよ。」
「え?いけない、え〜と…。黒子…テツヤ…。」
『えっ…?』
ーまさかあいつと同じ高校に進むとは。
あの時の赤司君が言ってた事ってこの事だったの…?
「どうかした?ボーっとしてたみたいだけど。」
『…あっ。い、いえ!何でもありません!』
「そう、ならいいわ。三浦一花ちゃんね。」
『はいっ。』
「早速部活出てもらうけど、いいかしら?」
『はい、任せてください!!』
これからどうなるのか分からないけど、なんだかワクワクしてきた…!
思わず笑みがこぼれる。
「(何この子、可愛い…!)」
ブルッ
監督の目線が怖いのは気にしないでおく。