第3章 「覚醒と壊れゆく心」
~ミラド~
私は、夕食を食べ終えガジルと別れて、気分転換に廊下を歩いていると、会議室から灯りが僅かに漏れていた。
(………アクチ達かな?)
私は、そう思って気配を消して会議室に近づき、話を聞く。
そこから、声が聞こえてくる。
「では、もう一度確認します。アクチとランは、あのカルツとジンを相手してください。ルカという小娘は、ライドにまかせます。」
どうやら、ビドが説明をしているらしい。
「……時間は、あまり掛けたくないので、もし掛かるようでしたら…………。」
「へっ、最大のトラップを発動させる……だろ?」
「そうですよ。」
笑いながら、アクチが言った言葉に、頷くビドだった。
私は、ひたすらに息を殺す。
(………………カルツが危ない。私が、カルツを守らないと…………。)
私は、そう思いながら会議室から離れる。
例え此処の皆が、どんな風に思っても私はカルツを守る為なら、なんだってしてやる。
此処を裏切る事になっても………。
カルツが、生きていてくれれば……………私は……………。
私は、自分の部屋へと向かった。