第3章 「覚醒と壊れゆく心」
~ハルツ~
私は、会議室から出て自分の部屋に向かう。
私の後ろから付いて来るガジル。
私は、足を止めて振り返る。
「………いつまで付いて来るの?」
ガジルは、苦笑をする。
「………落ち着いたか?」
ワザと話を逸らしているのか、話がかみ合わない。
私は、溜息をしてコクリと頷く。
私の頷きを見て、安心したのかガジルは、安心した顔をするのだった。
「……それで、いつまで付いて来るの?」
私は、軽く睨み付けながらガジルに言う。
ガジルは、肩を竦めて笑うだけだった。
私は、再び溜息をする。
「……………今回は、お留守番だな。」
ポツリと呟くガジル。
「そうだね。」
私は、素っ気なく答える。
ガジルは、何処か遠くの方を見て……………。
「…………────は、何考えてるんだ?」
僅かな声で、そう言ったのだった。
私にとっては、最初の方が全く聞こえなかった。
気になって、聞こうとしたが………ガジルの表情には複雑な顔をしていた。
こんな、ガジルを見たのは初めてだった。
だが、その表情を見てから、喉に何か詰まったかのように声が出てこなかった。
いや、私が聞けなかったのだ。
私の胸には、何か締め付けられた感じがした。