• テキストサイズ

双子の心

第3章 「覚醒と壊れゆく心」


私は、僅かな声でガジルに話掛ける。


「……とりあえず、私の部屋で話そうか。」

「…………あぁ。そうだな。」


私がそんな風に言うと、ガジルは弱々しく答えた。


やはり、ガジルがおかしかった。


そんな疑問を思いながら、すぐに私の部屋に着いた。


扉を開けて、私の部屋に招き入れる。


ガジルは、私の部屋に入ってすぐに、ソファーにドサリと座る。


私は、ベッドに座る。


ガジルは、胡座をかきながら私に質問をする。


「なぁ。命を懸けて守りたい奴とかいるか?」


守りたい人………私の脳裏で出てきた顔は、カルツだった。


私は、ゆっくりと口を開き言う。


「………居るよ。この世に、たった1人だけ。」

「…………。」


ガジルは、私をジッと見つめる。


そして、数秒私を見ていたガジルの瞳が、ゆっくりと閉じていく。


「…………そうか。」

「………ガジルは、居ないの?」


さっき、弱々しく言っていたので、私は気になって仕方なかったので、ガジルに質問をしてしまった。


ガジルは、一旦私の視線から外して、息を吐き再び私を見て言う。


「居るぜ。親より大切な奴が…………。」


ガジルの瞳は、とても優しかった。


今まで、見たこともない瞳だった。


私は、思わず見とれていた。


「ん?どうした?」

「えっ?いや………何でもない。」


私は、さっきのガジルの姿を見て、何故だか鼓動が高まった。
/ 134ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp