第3章 「覚醒と壊れゆく心」
~ジン~
俺達は、フロトさんと話合って、とりあえず今日は大丈夫となって、宿屋に戻る事となった。
宿屋に戻って、俺はベッドの上で、ゴロゴロとする。
カルツは、窓から見える景色を眺めていた。
何か思いつめたように………。
「カルツどうした?」
「………いや、昔の事を思い出していた。」
「……また、ハルツの事か?」
俺が、そんな事を聞くとカルツは頷くのであった。
どんな、思い出だ?と俺は、カルツに聞くと………。
カルツは、一度俺を見て再び、外を眺める。
「…夜、親の許可を貰わないで、俺とハルツは外に出て、夜空を見ていた。偶然な流れ星を見つけたから、お互いに願いを込めたんだ。」
「カルツの願いは?」
俺が、質問をするとカルツは、フッと鼻で笑って、首を左右に、振る。
「……教えるわけがないじゃん。………俺だけの秘密だ。」
「ケチだな。」
俺は、口を尖らす。
カルツは、窓から離れてもベッドに転がる。
そして、天井を見上げる。
「………………早く、叶って欲しいな……。」
「はぁ?」
何が、叶って欲しいか俺には、わからなかった。
だが、さっきの言葉はかなり弱々しく言っていた。
俺が、カルツに聞き直しても、笑って誤魔化して教えてはくれなかった。
カルツの瞳が、ゆっくりと閉じる。