第3章 「覚醒と壊れゆく心」
流石の俺は、驚いた。
俺だけではない、他のビド、ラン、ライドも驚いていた。
「人を殺すことは、俺にとっては最高の楽しみだ!」
笑いながら、そう言うアクチ。
「人の重みの存在を知らないのかっ!!」
ついに、ミラドは怒ったのか、双剣を構える。
それも………『赤』色だった。
ミラドが今まで使っていた、また別の色だった。
アクチも、拳を握り締め構えていた。
俺は、まさかと思いミラドとアクチに向かって、叫ぶ。
「止めろ!ミラド、アクチ!!!」
だが、この2人は俺の言葉を無視をしていた。
ミラドは、床を思いっきり蹴り、アクチに攻撃を仕掛ける。
ミラドの双剣が、右から襲い掛かってくると、アクチは余裕の笑みを浮かべて、避ける。
ミラドは、怒りのままに我を忘れているように、見えた。
アクチは、拳の周りに風を集めて、ミラドに殴り掛かる。
勿論、ミラドはそれをかわす。
こんな狭い会議室で、戦っていたら大変な事になる。
「2人共止めて下さい!争っている暇などないのですよ!!!」
ビドも、2人を止めようと呼びかけるが、全く効果がない。
そのまま、2人は争っていた。
俺は、ミラドを取り押さえる。
ランとライドの2人で、アクチを抑え込む。
未だ俺の腕の中で、暴れるミラド。
「放せ!ガジル!私は、アイツを…!」
「落ち着け、ミラド。」
ミラドの言葉を遮るように、言う。