第3章 「覚醒と壊れゆく心」
~ガジル~
やっとの思いで、ミラドは泣き止んだ。
その時、ドタドタと慌ただしい音が聞こえてきた。
俺とミラドは、お互いの顔を見て不思議に思った。
そのまま、俺達はミラドの部屋を出てみると、会議室の方が、やけにうるさかった。
(………帰ってきたのか?)
俺は、そう思ってミラドと共に、会議室に向かった。
走ってきた為、少し息は荒れていたが、会議室に入ると、重たい空気が流れていた。
「くそっ!!」
バンッ!と机に向かって殴るアクチの姿。
他の皆は、暗い表情をしていた。
まさかと思うが………そんな予想をして、皆に向かって言う。
「…………任務は、どうなった?」
「失敗です。」
即答に言ったビド。
失敗と、呟くミラド。
アクチは、ミラドを睨み付けズカズカと乱暴に歩き、いきなりミラドの胸倉を掴む。
「おい!テメェーのせいで、失敗したんだぞ!どうしてくれるんだ!」
「……………っ。」
ミラドの表情が、僅かに苦しげに見えた。
俺は、アクチの右肩に手を置いて、言う。
「止めろ。今、ミラドを責めても仕方ない。終わった事だ。」
「…………チッ。」
アクチは、舌打ちをしてミラドを放す。
それでも、ミラドは無表情のままだった。