第2章 「始まり」
~ハルツ~
結局、私達は罠にはまっています。
やはり、行かなければ良かったと思ってしまった。
私は、銃弾をかわし、相手を気絶させる。
だが………アクチが…………。
「ミラド!!テメェー、気絶させてどうする!!殺せ!!後から大変だぞ!!」
私に向かって、怒りの混じった声で言う。
私は、唇を噛み締める。
「………………嫌だ。………殺………したく…………ない。」
私の本音でもあるため、弱々しく言う。
その時、黒スーツを着た男の1人が、私に向かってナイフを振り上げた。
完全に反応が、遅れた。
(……死ぬ!!)
そう思った瞬間、脳裏でカルツの姿が思い浮かび上がった。
(…………私が死んだら、カルツはどうなるの?)
ギュッと剣を握り、そのまま男に向かって…………。
ビュッ!!
とてつとない音が響く。
『黒』のみ剣が、相手のカラダを貫く。
そこから、流れる赤い液体…………。
その男は、力無く倒れ込んだ。
ガジル、ランは、驚いた表面をしていて…………。
アクチは、ニヤリと黒い笑みを浮かべる。
そう、私は…………人を…………初めて殺してしまった。
『黒』の剣をゆっくりと引っこ抜く。
剣や私の手は、大量の血がべっとりと付いていた。
ただ単に、茫然としていた。
手から剣が、滑り落ち2本の剣が消える。
血の付いた手を眺める。
「わ……………た、し……………は……………。人………を……。っ…………あ…………あぁぁぁーー!!」
私の声が、工場内に響き渡る。