第2章 「始まり」
~カルツ~
レートさんと呼ばれた男性。
俺達に、場所を伝えるために、ここに来たみたいだ。
「フロト社長の居場所は、この建物の地下に居ます。今から、ご案内します。」
「敵には、バレてねぇのか?」
ジンは、レートさんに質問をする。
レートさんは、ニッコリと笑い言う。
「はい。偽情報を流しています。現れるのは、恐らく工場です。ですが………。」
レートさんの表情が、一気に変わった。
表情を少し曇らせたのだった。
「その工場は、ある一文だけ地下と繋がっているのです。もし………見つかってしまえば………。」
「だったら、俺とジンでフロトさんを守ります。」
俺は、はっきりとレートさんに向かって言う。
レートさんは、驚きの表情を見せる。
俺は、ジンの方を見る。
ジンは、ニヤリと笑う。
逆に、ルカは不安な表情をするが、俺の右手を包むように握る。
「無理だけは、しちゃだめだからね。」
「あぁ。わかった。」
俺は、強く頷く。
「ありがとうございます。皆様。」
レートさんは、俺達にお辞儀をした。
そして、俺達はフロトの居る場所に向かった。