第2章 「始まり」
~ルカ~
私達は、フロトさんがいつも仕事をしている建物に入る。
受け付けの前に立ち…………。
「タグ・ヨマフの娘………ルカです。フロトさんの仕事部屋に行ってもいいですか?」
「はい。ルカ様。どうぞ。」
受け付けの人に、許可を得て歩き始める。
ジンは私に、流石ルカと言ってきた。
私は、首を左右に振り……そんな事はないよ、と言う。
エレベーターに乗り、7階というボタンを押す。
カルツが言う。
「ルカは………ここのフロトさんとは知り合い?」
「うん。何度か会っているよ。」
お父さんの付き添いで、他の社長さんとも会っている。
パーティー参加とかよく会っていた。
勿論…………行方不明もずっと前置きから知っている。
チンッ!
7階に着いた合図だった。
エレベーターから降り、フロトさんの部屋に向かう。
床や壁は、シンプルに白だった。
右に曲がると、ある扉が見えてきた。
フロトさんの仕事部屋だった。
扉を開くと、綺麗な部屋だった。
やはり、フロトさんは居なかった。
カルツが言う。
「とりあえず、手掛かりを探そう。フロトさんが居る場所を………。」
コンコン……。
扉のノック音が聞こえてきた。
そして、ゆったりと扉が開かれる。
「お久しぶりですね。ルカ様。」
優しく柔らかく落ち着いた声。
「ま、まさか……。レートさん?」
レート・ヴェイトさん。
フロトさんの秘書だ。
レートさんは、私の前に来て一度お辞儀をして言う。
「ルカ様、皆様にお伝えします。これは、フロト社長の命です。フロト社長の居場所を教えます。」
居場所という言葉に反応する私達。