第2章 「始まり」
~ハルツ~
『グラティー町』に着いた私達。
フードを深く被り顔が、見えないようにする。
路地裏から広場を見る。
とても、賑やかな場所だ。
「フロト・ローガの奴、何処にいるんだ?」
半分呆れた声で言うガジル。
「それを、捜すのが今回の目標でしょ?」
明らかに、怒りの混じった声で言う。
その私の様子から、ガジルは肩を竦める。
私は、目を瞑る。
(…………どうせ、見つけ次第、殺すのだろう。これ以上………死人を見たくない。)
そう願っても、この仕事を続ける限り叶わない。
カルツを守るためには、こうするしか…………。
歯を噛み締める。
ビドが言う。
「それでは、行動開始といきますか。僕とライドは、フロト・ローガがいた建物に向かいます。ランとアクチは、工場の周辺をお願いします。ガジルとミラドは、この広場の周辺をお願いします。」
各それぞれ頷き散る。