第2章 「始まり」
ライドは、私を見て……。
「………ミラド、ビドの治療ヲ頼ム。」
言葉も少し、人間とは違っていた。
ビドという名は、このライドのパートナーの名前だ。
私は、暫くライドの瞳を見ていた。
溜息をして、歩き始めた。
そのまま、医務室へと向かった。
医務室の場所まで、そんなに遠くはない。
移動中に、何故ビドが怪我をしたのか、ライドに聞いた。
「2人して、何してたの?ビドが、怪我をして………。」
睨むように、ライドを見る。
ライドは、最初の方は黙っていたが、やがてゆっくりと口を動かしたのだった。
「今回ノ目標(ターゲット)ハ、殺シタ。ダガ………最後ノ足掻キナノカ………。爆発ヲ起コシタ。我ハ、ウマク脱出デキタガ………ビドガ、遅レタ………。」
脱出に、遅れたみたいで………怪我をしたのか………。
私は、そうか。と言って、医務室の扉を開けた。
ベッドには、上体を起こしている男性がいた。
頭と右腕には、巻いてあった。
派手にやられたみたいだった。
「おや?ミラドではないですか……。治療をしてくれるのですか?」
私に対して敬語を使っている。
この人が、ビド・フェリグレール。
茶色のショートヘア、瞳は、黒。
黄色のYシャツ、黒のジーパン。
黒のブーツを履いている。
勿論、フード付きの黒のコート。
はっきり言って、一番頭が良いのだ。