第2章 「始まり」
~ハルツ~
私は、目を覚まして、ヨロヨロとベッドから下りた。
外を見ると、空には雲一つもなかった。
私は、息を吐いて扉に向かった。
ガチャッ…………。
私は、扉を開け廊下に出た。
食堂に向かう為、廊下を歩き始めた。
その時、遠くから奇妙な気配を感じた。
(……………確か、この気配は………。)
そう思っていると、鳥の形をした雷が襲い掛かってきた。
咄嗟に避ける。
これも、『能力』の一つだ。
私は、襲い掛かってきた方向に言った。
「…………帰ってきたんだ………。………ライド・ポレス………。」
私は、低い声でそう呼ぶと、姿を現した。
黒に近い紫色のショートヘア。
右の瞳……というか機械の目は、赤色。
左の瞳は、黄色。
濃い赤いマフラー。
薄緑色のオープンシャツ、右腕が機械。
左腕は、人間。
濃い紫色のジーパン。裸足だ。
左足が機械、右足は人間。
要するに、サイボーグ人間だ。
ライド・ポレス、それがこいつの名前だ。