第1章 「取り戻し」
~ガジル~
俺は、ミラドが心配で部屋に向かおうとした時………。
ミラドの腕を掴むアクチが居たのだ。
ミラドの顔には、苦痛の表情をしていた。
俺は、アクチを追い返した。
ミラドの両腕は、赤くなっていた。
俺は、ミラドを自分の部屋に連れてきた。
ソファーに、座らせた。
冷蔵庫から氷を取り出し、小さな袋に入れて、ミラドの両腕に当てた。
「………っ。ごめん、ガジル。迷惑をかけた。」
小さな声で言った。
俺は、苦笑しながらソファーに座り言った。
「別に、大丈夫だ。気にしてない。それに…………。パートナーを守るのは、当たり前だ。」
当たり前………。そう呟いたミラド。
俺自身もそう言ったが………心の奥ではとても重くなっていた。
すると………。
「パートナーを守る………。じゃあ……私はガジルを守るよ。………それだけは、約束する。」
そう俺に、言ってきた。
俺は、目を丸くしたが、すぐ苦笑をして……。
「……あぁ。頼む、ミラド。」
暫く、氷を当てたおかげで赤身は引いた。
俺は、ホッとした。
ミラドは、ソファーから立ち扉に向かった。
扉の前で、足を止め俺に背を向けたまま………。
「………ありがとう、ガジル。」
俺にお礼を言ってきてミラドは、深く息を吐いた。