第6章 「明日という希望」
~ハルツ~
私は、ヴェグに近づこうと移動し始めた時、私の耳に激しい音が聞こえた。
それと同時に、私の体は激痛が流れ出し、視界が大きく揺れる。
気づいた時には、床に転がっていた。
私の視線には、不気味な笑みを浮かべたベレスの姿。
これでわかった話だ。
私は、ベレスに吹き飛ばされたのだ。
それも、ヴェグが受けた以上の強い力で……。
「っ……あ……は………。」
私の口の中は、鉄の味がした。
恐らく血だろう………。
「私を手間をとらせるな。ハルツ・ラベールが死ねば、全てが終わる…いや……始まるのだ。新しい世界が…。」
不気味な笑みを浮かべながら、一歩一歩私に近づいてくる。
私は、立ち上がろうとするが手足が力が入らない。
刀が、振り上げられる。
私は、反射的に目を瞑る。
「ハルツーーーーッ!!!」
ヴェグの叫び声が、聞こえてきた。
バーンッ!と何かが、爆発する音が聞こえ、ゆっくりと目を開ける。
其処には、ライド……アサルトが立っていた。
右手には、『雷』を纏っていた姿を……。
「…アサ…………ルト………?」
私は、弱々しく彼の名を呼ぶ。
ベレスは、遠くの方にいた。
シードは、お腹を押さえながら言った。
「僕達は、彼女達を保護する任務もあります。これ以上…好き勝手にはさせません。」
「任務ヲ遂行スル……。」
アサルトは、私達を守る態勢をとる。