第6章 「明日という希望」
~カルツ~
俺達は、やっとベレスの場所に着いた。
其処には、ハルツに抱きついているヴェグラートの姿。
そして、ハルツはボロボロの姿が目に入る。
俺の心の奥底から、怒りが湧いてくる。
ハルツは、俺を見るなり驚きの表情をしていた。
「カルツ……。」
ハルツの弱々しい声が、聞こえてくる。
俺は無意識に、ハルツの下へ駆け寄った。
そのまま、抱きつく。
「ハルツ!良かった……。本当に……良かった。」
俺の頬には、涙が流れ始める。
ハルツは、ニコリと笑い俺に優しく抱きつく。
「…ごめんね、カルツ。でも………また…会えたね。」
ハルツは、震える声で俺に言ってきた。
「………ビドとライドは、あの場で待機するように、命令したはずだ。」
冷徹な口調が、耳に入ってくる。
そう、ベレスの声だった。
シードは、冷静にベレスに答えるのだった。
「…僕…いや、僕達は最初から貴方を仲間だとは、思ってはいません。」
シードは、ベレスに向かって睨みつける。
ベレスは、何?と僅かに声に出していた。
「我々ノ目的ハ…ベレス、貴方ヲ監視スル事ダ。ソシテ、貴方ハ…人ヲ殺メテイル。ソノ証拠ヲ探スタメデモアッタ。」
ベレスは、フと不気味に笑い刀の先を、シードに向ける。
「そっくりそのまま、言い返す。お前達も、人殺ししたではないか。」
その一言で、シードの顔色が変わるかと思えば………よく見ると変わっていなかった。