第6章 「明日という希望」
~ハルツ~
ベレスと戦いの最中。
息は、完全に上がり体中は、傷だらけ。
いくら私が攻撃しても、傷一つもベレスにはついてない。
強い………強過ぎるのだ。
恐らく、このままにしておくと完全に私が負ける………殺される。
頭の隅には、逃げる選択肢もあったが、此処で逃げてしまえば………今度はカルツが危ないのだった。
「っ………はぁ…はぁ……。」
「どうした?もう、終わりか?」
ベレスは、私に挑発をする。
私は、双剣を握り締める。
だけど、なかなか手に力が入らない。
あっちこっちに、私の血が流れている。
意識もさっきよりも朦朧としている。
ベレスは、私に向かって刀を振り上げる。
私の反応が、遅かった。
私はその咄嗟に、目を強く瞑る。
だが、いつまで経っても衝撃がこない。
恐る恐る目を開けると、其処には居ないはずだったヴェグの姿。
ベレスは、驚きの表情でヴェグは、ベレスを睨み付ける。
「このクソ親父がッ!母さんだけじゃなく、ミラド………。………ハルツまで殺すつもりか!!」
ヴェグは、ベレスに向かって怒りが混じった声で言った。ヴェグの武器で、ベレスの刀を抑えこんでいたのだ。
「ヴェグ…………。なん………で………。」
私は、弱々しくヴェグに聞いてしまった。ヴェグは、一度私を見て微笑む。
「俺は…………お前が────っ!!」
ヴェグは、私に言おうとしたとき、ベレスはヴェグを吹き飛ばす。
ヴェグは、地面に転がる。
「がっ!…………っ……。」
苦しげな表情をしながらも、すぐ立ち上がる。