第4章 「作戦と再会」
「放せ!ガジル!私は、私はッ!」
それでも、ハルツは抵抗し続ける。
ガジルは、複雑な表現をしてハルツに向かって言う。
「悪い………ミラド……。」
その瞬間、ガジルはハルツのうなじ辺りを強く叩く。
ハルツは、ダランと動かなくなった。
気絶したのだった。
ガジルは、ミラドを抱えて動こうとした時………。
「……………返せよ………。」
怒りの混じった声で、ガジルに言うカルツ。
ガジルは、カルツの方を見る。
カルツは、ガジルに向かって睨み付け、ヨロヨロと立ち上がる。
カルツは、剣を構える。
「……止めておけ。今のお前じゃぁ、俺には勝てない。俺に勝負をするなら、万全な体にしておけよ。」
カルツの動きが止まり、ガジルはその場から去って行った。
ハルツを連れて…………。
カルツは、その場で崩れた。
カルツの頬には、涙が流れ始めた。
「……………カルツ………。」
私は、カルツの名前を弱々しく呟いた。