第1章 【裏】息抜き/あんスタ蓮巳
私は敬人さんにエスコートされるまま、後ろを振り返ると笑顔で水瀬さんが手を振っていらっしゃいました。
サロンのすぐ側にある駐車場に入って、すぐ敬人さんの愛車に乗せられてしまいました。荷物は後部座席に置かれてしまい、敬人さんは運転席に乗られました。
「えっと、どこに行くんですか?」
「ホテルのレストランでディナーをして、そのまま泊まるの予定だ」
なるほど、それでドレスコードなわけですか…お着替えをすることになった理由に納得してしまいました。
ホテルに到着すると、ドアマンに車を任せて、そのままホテルの最上階にあるというレストランに向かいました。レストランは個室制になっていて、案内された個室の窓からは夜景が綺麗に見えました。
「すごいですね…」
「そうだな」
そのまま美味しい食事をしてから、部屋に向かいました。敬人さんが迷うことなくそのまま部屋に向かえたということは私を迎えに来る前にチェックインを済ませていたのでしょう。でないと、ジャケットのポケットからカードキーが出せるわけありません。
「楽しめたか?」
「はい、お陰様で。ありがとうございます」
「しばらく夫婦らしいこともしてやれなくてすまなかったな」
「今更そんなこと言われるんですか? あなたが真剣にしていることに私が無下にしろと言うと思いですか?」
部屋のクインズサイズのベッドに座らされて、言われた言葉に言い返すと敬人さんは呆気に取られた表情をしたと思うとすぐに笑みを浮かべました。
「そうだな…いつもゆめには背中を押されてばかりだ…」
「私も同じです。貴方がいてくれるから頑張れるんです」
敬人さんがそばに居てくれるから、背中を押して応援してくれるから私も頑張ろうと思います。だから私も敬人さんのことを支えてあげたいと思うんです。
自然と敬人さんが隣に座り、腰に腕を回されて抱き寄せられるとそのままキスをしました。