第1章 【裏】息抜き/あんスタ蓮巳
衣類を脱がされてしまい、ドレス着させられました。着てから気づきましたが、これ足元に長くスリットが入っています。胸元も開いていてなんだか落ち着きません。
ドレスなんて英智のお目付け役みたいな感じで付添でいってた以来なので久しぶりですし…
「あとはそうですね。ピアスは開けてますか?」
「あ、開けてないですっ」
「そうですか…それでは先にこちら付けちゃいますね」
そう言われて付けられたのはパールがついたお花のチョーカーでした。
「あとは、先に髪のセットをしてからネイルもしちゃいますね」
また水瀬さんのされるがままに椅子に戻って、髪を弄られました。
「それじゃあ、ネイルしますね」
また椅子ごと移動するのかと思えば方向転換だけされて、今度はキャスター付きの作業台が運ばれてきました。
「奥様は教職とお聞きしてるのでピンク系でお仕事に差し支えないようにしておきますね」
そう言われて、水瀬さんは私の手を取って丁寧に爪を整えて、ネイルを塗ってくださいました。薄いピンク色をベースにしたフレンチネイルというものにしてくださいました。これはジェルネイルというものでUVの光を当てて硬化させるそうです。
「この間にイヤリング変えちゃいますね」
そう言って傍らから工具を出して私の耳につける予定らしきピアスの金具をイヤリングの金具に変えてくださいました。
「器用なんですね?」
「趣味でやってたこともあったので。出来ましたよ」
私にパールのイヤリングを手渡して下さり、私はそれを受け取って付けました。
「やっぱりお綺麗ですね」
「ありがとうございます。あ、着替えは…」
「お着替えの間に紙袋に入れさせていただきました」
「いつの間に!?」
「さぁ、そろそろ行きましょうか」
私は水瀬さんに手を取られ、エスコートされて個室を後にしました。受付に行くと、敬人さんが正装で待っていました。
「お待たせ致しました」
「いや、俺も今来たところだ…ゆめ、綺麗だな」
「え、いや、その…ありがとうございます…」
「水瀬も、ありがとう」
「こちらこそありがとうございます」
水瀬さんは私の手と荷物を敬人さんへ差し出し、受け取ったのを確認して笑顔で離されました。
「それではご夫婦のお時間楽しんできてくださいね」
「あぁ、そうさせてもらう」