第5章 【裏】表現/斎宮
「……」
「な、なに?」
「今日は水瀬のところに行ってたのかい?」
「あ、うん。伸びてたから少し整えに…」
「そうか…」
家に帰って、お家のことをしていたら夜になっていた。すると宗も帰ってきた。宗は何かと変えるとすぐに気づいて言ってくれるから、日々自分磨きに気が抜けないのだ。
「な、なんか変だった?」
「いや…水瀬の腕は変わらないと関心していた」
「そ、そっか…」
「あぁ、いつもながら完璧な出来だ」
髪を撫でながら言われると、なんだか恥ずかしいし、距離も近いから緊張してくる。結婚してしばらく経つのに、なかなか慣れないのだ。
「ゆめ」
「な、なに…?」
「入浴したらこれを着るように」
「あ、はい」
渡された紙袋を受け取ると、宗は先にお風呂に行ってしまった。
宗は歌手活動をしながら、デザインや演出の仕事もしている。場合によっては海外からオファーが来ることもあるほどだ。仕事の一環で私も手伝っていて、その1つが宗が作った服の試着だった。大体試着してからデザインの最終調整をして、世に送り出されているのだ。今回もそれだと思った私は言う通りにすることにした。
「……相変わらず細かいな」
今回は細かな花の刺繍が施されたオフホワイトのワンピース。しかもオフショルダー。なんかいつもよりおとなしめで普段使いしやすそうな感じだな。あ、でも、スカート丈が短いからパンツと合わせやすそう。
いつもはドレス系が多いからなー。
「宗、お待たせー」
「ふむ…もう少し小さくてもよさそうか…」
お風呂を済ませてから、着て見せると宗は傍に来て色々と確認をする。サイズとかバランスとかとにかく色々。だから身体中見られるし、触られる。この時の宗に下心なんてものはないもんだから、私はさらに恥ずかしくなる。だって、こうされてると段々宗に欲情してくるから…
「…っ」
「ゆめ、動かない」
「はぃ」