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朧月夜

第4章 【裏】ほんの少し/あんスタ神崎


「いらっしゃいませ。神崎様」
「こ、こんにちは…あの…」

 また美容院に行くと水瀬さんが優しい笑顔で出迎えてくれた。

「その様子だとミッションコンプリートのようですね」
「はい、おかげさまで…」

 前回行った時、水瀬さんに言われたのだ。

――― 触れ合いたいときは言葉にするのが大事です。なので、まずは自分の思いを旦那様に頑張ってお伝えしましょう ―――

 そのためにおまじないという名のサービスで、ヘアアレンジとメイクをしてくれた。
 おかげでなんとか颯馬くんと話を繋げられて、あと…

――― 殿方はギャップに弱いので、髪型とか服装とか気分転換に変えるのも効果ありますよ ―――

 お風呂の時に言われたのを思い出して、お義母さまがくださった浴衣を着てみた。
 結果的に颯馬くんに気持ちを伝えることは出来て、颯馬くんに触れることができた。でも、気持ちよすぎていつの間にかに気を失っていた。翌朝、足腰が立たなくて颯馬くんに心配をかけてしまったけど。

「ありがとうございました」
「いえ、お役に立てたならなによりです」
「主人とも時間が合ったら一緒にお料理出来るようになりました」
「あら、それは素晴らしいですね」

 今日もヘッドスパをお願いして、お話してるうちにまた気持ちよくて眠ってしまった。

「もう大丈夫そうだね…」
「へ?」
「神崎様が笑顔で本当に良かったと思いまして」

 水瀬さんはとても優しい笑顔で、なんだとても安心感がある。
 あ、そういえば…鬼龍さんの奥さん、見掛けなかったけどどこにいるんだろう? たしかこの美容院に勤めてるって颯馬くんが言っていたけど…

「あの…」
「はい?」
「ここに鬼龍さんという美容師さんいますか? 主人の知り合いの奥さんなんですけど…」
「私ですよ?」
「え?」
「結婚前から勤めてるので旧姓で通しているんです。本姓では鬼龍あやと申します。これでも主人と同い年です」

……!?

「えー!?」

 まさか水瀬さんが鬼龍さんの奥さんだったなんて、びっくりした。

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