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朧月夜

第1章 【裏】息抜き/あんスタ蓮巳


「明日の夜は久々に外食しないか?」

珍しく敬人さんからデートのお誘いがありました。その翌日は2人ともお休みだと分かっていたので、少なからず期待もありました。敬人さんは仕事でいつもお忙しいのであまり夫婦らしいことも出来なかったので…

「仕事が終わったらここに行くように。話はつけてある」
「ここ結構有名な美容院のような気がするのですが…」
「わかってるなら話は早い。俺が待たせることになるからな。その間のんびりしておけ」

敬人さんからもらったカードにはよく評判が良いと聞く人気の美容院でした。ヘアカットは勿論、ネイルなどもしていて、たしか芸能人も御用達と聞いています。テレビ取材はNGのようで、中がどうなっているかは話にしか聞いてませんが、たしか個室で対応されているとか…

「いらっしゃいませ。ご予約の蓮巳様ですね、お待ちしておりました」

仕事終わりにその美容院に行くと、出迎えてくださったのは私よりも小柄な女の子といっても差し支えない方でした。丁寧に個室に案内されると、荷物を自然な形で持たれてしまい、私はふかふかの椅子に座らされました。

「本日担当させていただきます、水瀬と言います。よろしお願い致します」
「あ、はい。よろしお願いします」
「早速ですが、本日はヘッドスパとトータルスタイリングのコースで進めさせていただきます」
「と、とーたる?」
「まずはヘッドスパを致しますね」

とても優しい笑顔で水瀬さんに挨拶されて、結っていた髪を丁寧に解かれて、椅子を倒されるとヘッドスパが始まりました。

「熱かったり、痛かったりしたら教えてください」
「は、はい…ふぁ…」

丁寧に髪の毛を洗ってくれる感触と、髪を洗いながらもマッサージをしてくださる感触はとても気持ちよくて、仕事で張り詰めいていた疲れがほぐされていきました。気づけば寝てしまっていました。

「では、このまま移動しますねー」
「ふぇ? え?」

ヘッドスパが終わって、髪をタオルで包まれてから椅子を上げられるとそのまま鏡の前に移動してしまいました。椅子におそらくキャスターがついていたと思うのですが、あの小さな身体で椅子ごと動かせるとは思っていたより水瀬さんはお力をお持ちのようです。

「先に髪を乾かしてからお着替えしてもらいますね」
「着替え?」
「はい。お着替えです」
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