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朧月夜

第3章 【裏】思い思われ/あんスタ鳴上


それから今日の仕事を乗り切って、家に帰ると待ってるのはいつもなら真っ暗な部屋のはずなのに明かりがついてた。嵐、帰ってるのかな?

「ただいま…?」
「おかえりなさい、ゆめちゃん。お仕事お疲れ様」
「そっちも、お疲れ様…あ、ご飯…いま……」
「もう作ってるから大丈夫よ。最近はずっとゆめちゃんに頑張ってもらってたんだから」
「で、でも、嵐も疲れてるんだし…」
「いいから、座って。お姫様」

手洗いうがいをしてからリビングを覗くとエプロンをつけた嵐がいた。テレビや雑誌以外で久しぶりに嵐に会えた。嵐に荷物を取られてしまい、ダイニングの椅子に座らされると目の前のテーブルには美味しそうな料理が並んでいた。

「さっ、食べましょうっ」
「う、うん。ありがとう。いただきます」

向かいの椅子に座る嵐は相変わらず綺麗にご飯を食べている。久しぶりに会えて嬉しいのは勿論なんだけど…私は…結婚して、ちゃんと支えられてあげれてるのか不安になった。
水瀬さんみたいに安心感をもってもらえるようなこと出来てるのかな…?

「ゆめちゃんっ」
「ふぇっ、なに? 嵐?」
「もぉ、話聞いてなかったでしょ? 明後日たしかお休みよね?」
「あ、うん。定休日だから」
「なんと私も、明後日は午後からオフなのっ」
「え、そうなの? 珍しいね。午後の方が多いのに」
「明後日はソロの仕事だけなの。だから、久しぶりにデートしない?」
「いいの? いつもお仕事大変なのに…」
「たまにはいいのっ。それに奥さんと一緒にいたいのは当たり前でしょ」

そんな笑顔で言われてしまうと、思わずドキッとしてしまう。嵐は綺麗だから付き合う前から会う度に毎回ドキドキさせられていた。結婚した今じゃそれもなくなったかとおもったけど、そうじゃなかった。やっぱりドキドキするものはドキドキしてしまうものだ。
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