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誰ガ為ノ戯曲

第2章 トリップ


人外っぽい二人とデュラハン【sideセルティ】

『ただいま新羅…?』
いつもセルティが帰るとただいまを言う(書く)前に飛び出して来て仕事の様子などを訊ねてくる新羅が出てこない。セルティはそのことに首を傾げた。
「岸谷先生なら作業をすると言ってどこかに行ってしまいましたよ。」
すると、セルティの困惑を察したようにおそらくまだ十代半ばの少女の声がそう告げる。部屋の奥を覗くとそこには_____人間離れして美しい少女が壁際に膝を抱えて座っていた。
「…あの〜。」
思わず少女に見惚れていたセルティは我に返りPADに文字を打ち出す。
『そうか、教えてくれてありがとう。君は?』
「あ、私は魅夜月 憂希って言います。今は岸谷先生に頼んだ検査の結果待ちです。あなたは?」
「私はセルティ・ストゥルルソンだ。よろしく、憂希。」
「はい、よろしくお願いしますね、セルティさん。ところで、セルティさんは今巷で噂の黒バイクさんなんですか?」
『ああ、まあ…そう、呼ばれている。』
「わぁぁ…、格好良い!」
『かっ、格好良い?』
「はい、私セルティさんのことネットで知って…。あの、首がないって本当ですか?」
『そこまで知ってるのか…。ああ、私はデュラハンなんだ。昔、首を盗まれてしまって。』
「…聞かない方が良いことでした?」
『いや、そんなことはないから大丈夫だ。』
「それなら良かったです。セルティさんは今PADで話してますけどもしかしてPCとか携帯電話も使うんですか?」
『ああ、携帯とか普通に便利だぞ。』
「それなら私とメールしませんか?」
『メール?』
「はい!あの、これっきりっていうのも寂しいですし、それに岸谷先生とは長いことお世話になりそうですし…。」
『そうか、それもそうだな。じゃあこれ、私のメールアドレスと、後私の入っているチャットのURLだ、良かったら今度来てみるといい。』
「ありがとうございます‼︎」
『気にするな。それよりさっき新羅には長く世話になりそうと言っていたが、どこか悪いのか?』


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