第3章 新たな思い出
ー太輔視点ー
コンサートが終わり、の姿を探したけどもういなかった。
俺は急いで帰り支度をし、会場を出ると一目散にあのもみの木へ向かった。
あの場所にがいる。
そんな予感がしたから………
もみの木まで行くと、予想通りカップルだらけだった。
あまりの人でを見つけられない。
絶対にいるという思いと、見つけられない焦り………
俺はに電話した。
『もしもし?』
太輔『?』
は直ぐに電話に出た。
電話から聞こえてくる周りの音で、が外にいることがわかった。
『もうコンサートは終わったの?』
はまるで会場にいなかったかの様に聞いてきた。
太輔『うん、終わったよ。すごく盛り上がったよ』
『そうなんだ。お疲れ様』
太輔『は何してたの?』
『私は友達と遊んでて、今帰り道だよ』
太輔『そうなんだ。楽しかった?』
『うん、楽しかったよ』
俺は電話で話しながらもを探した。
辺りを見渡すと、見覚えのある後ろ姿が目に入った。