第2章 電話越しの君の声*鬼灯*
少しすると、チャイムの音が鳴った。
急いで出ると、さっきよりも近い彼の顔。
「・・・・!!」
そう私を呼ぶやいなやすごい勢いで抱きしめてきた。
「ちょ。鬼灯様!?」
「・・・・会いたかったです」
その言葉にじわり。と心が熱くなる。
「・・・・・私もですよ。鬼灯様。」
とりあえず、おへやに入りましょうか。と提案すると
私は鬼灯様から解放された。
「いま、お茶を淹れますね。」
そう告げて、キッチンへ立つ。
ダイニング越しに見える鬼灯様の姿に少し心がくすぐったくなる。
いつか、毎日こんな風景を見られたらなぁ。
なんて思いながらココアを入れる。
「鬼灯様。お茶淹れましたよ」
「あぁ。ありがとうございます。」
彼専用のカップの中には暖かいココア。
ブラックコーヒーは飲み飽きてるだろうから…ね。
しばらくの沈黙の後、先に口を開いたのは鬼灯様だった。
「。私、いいことを思いつきました。」
「いいこと…?」
「はい。………一緒に暮らしませんか?」
「え……?」
彼から思いもよらない提案をされる。
すごくびっくりして、嬉しくて頭が真っ白になった
私から反応が無いのを心配して顔を覗き込んでくる鬼灯様。
「……嫌ですか?」
嫌なわけない。大好きな人とずっと一緒に居られるなんて。夢みたいだ
「……いいえ!ぜひ!!」
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これからは、君の声は電話越しじゃない