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鬼灯の冷徹 *短編集*

第2章 電話越しの君の声*鬼灯*


家に着くとなんだか孤独感が押し寄せてきた。
今日で何日会っていないのだろうか……?
彼が忙しい仕事をしているというのは重々承知している。
……けど、彼の仕事を邪魔したくないと思う反面、もう少しかまってくれてもいいんじゃないかとわがままになってしまう部分がある。
本人には伝えないが……今だってすごく泣きたい。
でも、泣いたってなにも変わらないしそんなの子供がおもちゃが欲しいと駄々をごねている姿とかわらない。

「しっかりしなくちゃ……」

彼だって頑張っている。私だって頑張らないと……
化粧を落としながらそんなことを考えていると

((きゃらぁめるぅ〜♩天国ぅ〜♩

ケータイがなった。

この着信音は鬼灯様から電話がかかってきたときの着信音だ。
私の大好きな曲。

通話ボタンを押す。

「……もしもし?」

「……もしもし?ですか?」

私の大好きなハスキーボイスが電話越しに聞こえる。

「お仕事終わったんですか?」

「はい。残りを大王に押し付けました。」

閻魔様……かわいそうに…。
まぁ自業自得だよね!!

「今日はすみませんでした。…最近ずっとドタキャンしっぱなしですね。」

「いえ、大丈夫ですよ?鬼灯様が忙しいこと分かってますから。」

本当は全然大丈夫なんかじゃない。
今すぐ会いに行きたいくらい。
会って、抱きしめてほしい。
キスしてほしい。
少しの間だけでいいから…。

「ちょっと窓から外見てください。」

「外ですか?」

なんだろう……?
窓を開けて、外を見ると

…………………嘘。


「なんで……」

……鬼灯様がいる……

「可愛い恋人を放っておくと天罰が当たるって駄獣に言われましてね…会いに来ました。」

「……今、下におります」

「いえ、私が行きます。は部屋で待っててください。夜も遅いですし」






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