第7章 マワレマワレ*白澤*
__________月が綺麗ですね
その声は・・・間違いない。私のすごく、すごく大切な人
「はくたく・・・様?」
「ちゃん・・・。ひどいなぁ。僕に何も言わず転生しようとするなんて」
「なんで・・・ここに・・・・・?」
「僕神獣だよ?なんでもできちゃうんだから」
いつものように、にっこり笑う彼
「そうでしたね・・・。忘れてました。」
「最後の最後までひどいなぁー。」
しばらく、沈黙が続く
転生まで、あと、30秒。
どうせ転生するんだから、最後にずっと隠していた気持ちを伝えたい
けれど、その言葉を、声にすることが出来ない
でも、言わなきゃ・・・!!
「白澤様!」
「なぁに?」
あと、20秒
「私、貴方のことを」
あと、15秒
「ずっと、ずっと、お慕い申し上げておりました。」
あと、10秒
白澤は、驚いたような顔を一切せずに
を抱きしめた。
あと、5秒
「君に神の御加護があらんことを・・・・愛してるよ」
月の光がの元へ真っ直ぐ降りてきて
と白澤を優しく包むと
は綺麗な笑顔を白澤に見せながら、
ゆっくり、ゆっくりと白澤の腕の中で消えていった。
彼の手には、彼女に以前プレゼントした
青い色のトンボ玉がついた簪が握られていた。
「ほんとずるいなぁ・・・“また”待つのか」
__________
廻れ廻れ