第3章 エンカウント
「これどこで読もうか……」
問題は読む場所。
何しろ私を拾ってくれたのはヴィラン様でして。
ヒーローの本なんて持って帰って読む訳にはいかない。
でも読めないと買った意味が無い。
変な板挟みにあった私は、結局それをショッピングモールの外にあるベンチで読むことにした。
本は持って帰った時見つからないとこに隠すことにして、ここに来る時に一緒に持ってきて読んじゃおう!と。
我ながら名案。
それからは荼毘さんがフラリと出かける度にヒーローの本を持ってショッピングモールに通った。
毎日。
私トリップ特典か何かで見た目が変わったとはいえ、年齢的にはあんまり変わってないわけですよ。
大体15歳くらい。
そんな容姿の女の子が、毎日足繁く、お昼前くらいからショッピングモールで本を読んでます。
……何が言いたいかと言いますと。
「君、学校はどうしたのかな?」
まぁそうなりますよね。