第2章 1
葉が黄泉の穴で修行することになった
あたしと同じように巫力を上げるために。
シャーマンファイトを勝ち上がるためには巫力を上げる必要がある
葉は昔からしんどいことが嫌いで
修行が嫌いだった。
いつも(なんとかなる)
そう言っていた。
巫力を上げたいと葉は言った
その眼差しは本気でなにか守りたいものがあるような
滝のお清めから戻ってきた。
アンナと葉に視線を向ける
二人はホントにお似合いで
あたしの入る隙間なんかない
「海依殿」
話を掛けてきたのは侍の霊
「あなたは確か‥‥‥葉の持ち霊だったかしら」
「阿弥陀丸と申す」
名前を告げた侍の霊、阿弥陀丸
「そう。何か聞きたそうね」
「海依殿は何者でござるか」
その言葉に目を見開く。
私は何者?
私は誰?
私は‥‥‥‥
「麻倉海依。シャーマン。イタコ。それ以外の何者でもないわ」
「葉殿とはどのような‥‥」
「葉とはいとこ。」
あたしは今はただの麻倉海依
葉のいとこでシャーマン。イタコ
それ以外の何者でもない
でも
1000年前は違った
そんなことまで話す必要はない
あたしはあたしなんだから
「海依殿にとって葉殿は大切な存在なのでござるな」
と微笑む阿弥陀丸
「なんで‥‥‥」
初めてあった霊にそんなこと
「海依殿は葉殿の話しをするとき優しい目をしているでござる」
優しい目‥‥‥?