第27章 個性的な三振り
台所に行く前に、三人を広間へ案内した。
あの後、太郎太刀がきちんと片付けてくれたらしい…綺麗に片付けられた台が並んでいた。
誰も居ない広間は、昨夜とは打って変わり寂しく感じた。
主「じゃあ私、ご飯作るから三人はゆっくりしててね?」
物吉「あ…僕、お手伝いします」
主「ううん、来たばっかりなんだからゆっくりしてて?ふふん、主様に任せなさい!」
胸を張り、拳で軽く胸を叩く。
まあ…燭台切が作った方が確実に、相当美味しいんだけどね。
静かに頷く物吉と、もう既に寛いでいる包丁。物珍しそうに広間を見て回っている鶴丸を一度見回すと、私は台所に向かった。
主「…ふう。大見得きったは良いけど、一体何を作れば良いのやら」
昨日は結構お酒を飲んでいる人も居た。
でも、飲んでいない子だって居る。
皆が食べやすい物…いや、選べる様にしてあげよう!
私は頭で構想を練ると、うどんの入った茶碗蒸し。小田巻き蒸し、という料理。
それからフレンチトーストと甘い物が苦手な人の為に、クロックムッシュを作った。
主「よーし、出来たよっ。ねぇ包丁、皆を呼んでくれない?」
包丁「えー…」
面倒臭いとばかりにジト目を向けられる。
わお、漫画みたいなジト目!可愛い、写真撮りたい!!
包丁「何で俺が…あ、甘い匂いだぁ!みーんーなーーー!!早くー!!ごーーはーーんーーー!!!」
くんくん、と鼻をひくつかせ目を輝かす包丁。
すると次の瞬間、驚く程の大声が轟いた。
しかし、そのお陰か広間に皆が集まり出した。